こんにちは。せかいひろしです。
アトランティス文明に匹敵する知名度を誇る超古代文明と言えば、ムー文明でしょう。
現代よりも高度に発展したテクノロジーを持ちながらも、一夜にして滅んでしまった悲劇の文明というのを想像する人が多いと思います。
ただ、その詳細な全貌はあまり知られていないです。
そのため本記事では、そんな全く謎の文明であるムー文明の概要からその正体や歴史までを網羅的に解説できたらと思います。
ムー大陸とは?
ムー大陸とは、今から約12000年前、太平洋上に存在したとされる巨大な大陸です。
その全貌は東西7,000km、南北5,000kmもあったそうです。
アメリカ大陸の東西が約4,500km、南北が約2,660kmなのでいかにムー大陸が巨大な大陸かわかるかと思います。
伝承によると地殻変動により巨大地震が勃発し、巨大な津波と共に一夜にして海底に沈没したと言われています。
しかし、周辺の地域や海底を調査しても痕跡が一つも発見されていないことから科学的には完全に否定されている大陸になります。
次章では、ムー大陸の存在の認知と現代に至るまでどのような変遷と辿ったのかを解説します。
歴史の中のムー大陸
ここでは、現在判明している史実の中のムー大陸を振り返りたいと思います。
1862年 ムー大陸にまつわる伝承の記録が発見される
ムー大陸にまつわる全ての話は、1862年ごろスペインのマドリードにてフランスの聖職者シャルル・エティエンヌ氏が王立歴史学会の図書館で発見したユカタン事物記に始まります。
ユカタン事物記とは、16世紀のスペインの聖職者であるディエゴ・デ・ランダ氏がマヤ文明の生活や社会、文化、信仰などに関する記録をまとめた書物であります。
シャルル・エティエンヌ氏は、ユカタン事物記に記された情報を元にマヤ文明で使用されていた絵文字を解読しアルファベットに対応させるようにしました。これをランダ・アルファベットと言います。
そのことにより、トロノア絵文書という別のマヤの絵文書を解読できるになりました。
そして、そこで「ムン/Mun」と呼ばれる国家が大災害により消滅した伝説が記録されていることが分かったそうです。
これが、最初にムー大陸に関する情報が明るみになったエピソードです。
ただ、近年の研究により再検証された結果、シャルル・エティエンヌ氏の翻訳が間違いであることが判明しています。
これは、マヤ文明で使用されていている文字が日本語のように「表音と音節」の両方が文字として混ざった形で作られているからです。
ちなみにここからそのユカタン事物記を読むことができます。
1926年 チャーチワード氏がムー大陸の存在を主張する
イギリス出身の作家であるジェームズ・チャーチワード氏は1926年にムー大陸の環境やムー文明の文化についての情報をまとめた書籍「失われたムー大陸(The Lost Continent of Mu Motherland of Man)」を執筆した。
書籍の内容としては、
- ムー大陸は東西7,00km、南北5,000km
- 人口は6000万人くらい
- 首都はヒラニプラ
- 帝王の名前がラ・ムーである
- 世界の全文明を完全に支配できるほど発達している
- 民族が白人で構成されている
- 約1万2000年前に火山噴火と巨大津波により海底に沈んだ
などと記載されていたとのこと
これは、ジェームズ・チャーチワード氏が1868年インド周辺にてイギリス軍人として従軍した際にヒンドゥー教の高僧が絶対に寺院の外に持ち出してはいけないとされていた粘土板「ナーカル碑文」を見せてもらえたことが執筆のきっかけである。
しかし、
- ジェームズ・チャーチワード氏が発表した著書「失われたムー大陸(The Lost Continent of Mu Motherland of Man)」で引用文しか発表せず、最も大切な一次資料である原典を一切公表しなかったこと
- そもそもイギリス陸軍に所属した記録が存在しないことが判明したこと
- 現在でも未解読のイースター島の古代文字「ロンゴロンゴ文字」が引用文に含まれていたこと
などが重なり彼の信用度は皆無に等しくなったという。
20世紀後半 ムー大陸の学術的な否定
20世紀後半になると、以前までは難しかった堆積物の年代測定や海底探査が可能になりました。
調査を重ねてみると、太平洋の海底は1億年〜数千前から海だったことが判明し、ムー大陸伝説は幕を閉じる結果になった。
ムー大陸の正体
ここでは、ムー大陸にまつわる歴史的伝承や背景を元に有力とされている説を紹介したいと思います。
誤読による勘違い説
前章で分かった通り、ムー大陸はそもそも誤読から始まったことが分かります。
聖職者のシャルル・エティエンヌ氏がマヤ文明の書物を解読した結果、「過去に大災害により滅亡した国家がムーと読めた」ことがそもそもの始まりであるからです。
実際、学術的にもかつて太平洋上に大陸が存在し得た可能性は完全に否定されています。
これは20世紀後半になると、潜水艦による海底1万mの海溝最深部も探索や、ボーリング技術による海底の地層の探査が可能になったことで、「太平洋の海底は1億年〜数千前から海だった」ことが判明したためです。
どのような調査が行われたかと言いますと、太平洋上の様々な場所の海底からサンプルを採取したそうです。その数は2000を超えたとのことです。
そして、通常レアアースは100万年でも50cm未満しか体積しないため、レアアースの堆積量を確認すればその地層がどれくらい昔のものか分かります。
しかし、採取されたサンプルは、
- 南東太平洋:平均8.0m
- 中央太平洋:平均23.6m
しか確認できなかったそうです。
これらは計算をすると、太平洋は数千万年〜1億年は海であったことが分かりました。
そのため、学術的に太平洋に大陸が埋まっていることはあり得ないことが分かりました。
このようにムー大陸は様々なエンタメコンテンツや噂によりその存在の神秘さだけが拡散し、真実は埋もれたことが分かりますね。
ムー大陸に触れることができる作品3選
ムー大陸やムー文明が勘違いから生まれた文明ということは分かったかと思いますが、古代文明に対するロマンを楽しむことはできます。
本章では、そんな方のためにムー大陸やムー文明について触れることができる作品を紹介したいと思います。
【マンガ】太陽の世界 全18巻
これは、半村 良 先生によって書かれた架空の史実を元にした傑作大河ロマンです。
非常に残念ながら、半村先生は作品を完成させる前に他界してしまったので、完結はしていませんが、非常に面白いで有名な作品です。
あらすじは以下の通りです。
かつて、南太平洋には巨大な大陸が存在していた。それはムーと呼ばれていた。そこには、想像を絶するほど高度に完成された一大文明が栄えていた。
だがある日、広大で肥沃な土地に住み、完成された国家を持ち、平和な日々を送るムーの人々を、突然の災厄がおそった。
大地震、大洪水、そして火山の爆発があいつぎ、そこに栄えたあらゆるものを、跡かたもなく海中に没し去ってしまったのだ――。
失われた大陸・ムーの誕生から滅亡に至る2000年の歴史を描く大河ロマン。
Amazon
私も購入して読んでみたいと思います。
【アニメ】ゴッドマジンガー 全23話
これは、1984年に放映されたロボットアニメです。
大人気マジンガーシリーズとは完全に独立した作品であり、古代ムー大陸を舞台に描かれています。
あらすじとしては、
ムー大陸を舞台に民衆を苦しめる悪党を現在からタイムリープしてやってきた火野ヤマトが搭乗するマジンガーが退治するという物語となっている。
wikipedia
本作は、DアニメストアやAmazonプライムで視聴ができます。
Amazonプライムだと1話110円かかるので、Dアニメストアに無料期間を利用して加入し一気見をするのがおすすめです。
【映画】ドラえもん のび太の海底鬼岩城
これは、国民的アニメドラえもんの長編作品の一つです。
あらすじとしては、
超古代文明やバミューダトライアングルの謎に迫り、世界を巡る2つの連邦の戦いに巻き込まれていくドラえもんたちの物語。
wikipedia
本作は私も何度も5回は見ていますが、いつ見ても楽しめるのでおすすめです。
2022年8月現在、Amazonプライムで無料で視聴可能になっています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
これが伝説のムー大陸に関する全てです。
未だにその存在の一端すら世間では知られていないから、もしかしたらとは思いましたが、もしかしましたね。
確かに現在の人類でもわからないことは世界にゴロゴロ転がっていますが、ムー大陸が存在する可能性は完全に否定されても仕方ないでしょう。
何せ、完全に確固たるデータに基づいて否定されている訳ですから。
超古代文明は完全にロマンの中の世界ということですね。
以上っ!
コメント