感想「レリック 遺物」頼むからもう少しだけ分かりやすくしてくれ

こんにちは。
ホラー映画大好き せかいひろし です。@sekaihiroshi0

どうせ映画を見るならきちんとした当たり映画を見たいのは万国共通の思いだと思います。
しかし、それがホラー映画になると途端に難しくなるから困りものです。

本日は、2021年8月13日(日本)に公開され、様々な賞を受賞している「レリック 遺物」という映画について感じたことをまとめていきます。

結論から言いますと、「レリック遺物」は「認知症 暗喩 映画」です。そのため暗喩に暗喩がかかっている感じの映画です。好きな人は好きだと思いますが、万人ウケはしない作品という感じです。

故に「頼むからもう少し分かりやすい演出をしてくれ」と視聴後、強く感じましたね。

映画自体はそこら辺のホラー映画とは違いかなり練られているので素晴らしい作品であると思いますが、ミーハーな私からするとかなり物足りなかったとしか言えません。

なんせホラー演出が少ないからです…

この記事は映画「レリック 遺物」のネタバレを含んでいます。ネタバレが嫌な方は注意です!

目次

映画「レリック 遺物」の概要と評価ポイント

(C)2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

監督:ナタリー・エリカ・ジェームズ
原題:Relic
公開:2021 / 8 / 13(日本)
本編:1時間 29分

評価

映画.com 2.7
Yahoo映画 3.5
Rotten Tomatoers(評論家):92点
Rotten Tomatoes(観客) :51点
IMOb 6.0/10

※Rotten Tomatoes、IMOb:海外映画評価サイト

本作品は、評論家と一般人とでは大きく評価が変化する作品と言えます。実際、アメリカの映画評価サイトであるRotten Tomatoesでも評論家92点、観客51点と大きく評価に差が開いています。

これは、本作が比喩・暗喩が映画全体で描かれている作品だからです。そのため芸術性はかなり高いと言えます。

ただ、一般人には少しインパクトに欠けると言いますか、パンチが弱い作品として映りやすい作品だと思います。

なんせ、分かりやすいホラー演出は少ないからです。映画を見終わると考察したくなるそんな作品ですね。

ちなみに、本作はあのアクション大作映画「アベンジャーズ」シリーズの複数の作品の監督を務めたルッソ兄弟が制作総指揮を撮っていることもあって、クオリティーは抜群に高いです。

映画「レリック 遺物」の登場人物/キャスト

(C)2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

ここからは、「レリック 遺物」の登場人物とキャストを見ていきながら感想を話していきたいと思います。

エドナ(ロビン・ネビン)

(C)2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

本作の主人公の1人であるおばあちゃんです。最も不気味なキャラであり、認知症を知らないと最も理解しづらい行動をしていた情緒不安定キャラです。

認知症を身近で体験したことがある人は、エドナの行動を理解しやすいと言えます。一方で、認知症をあまり知らない人からすると、ただの情緒不安定でよく分からない行動をする辺な人に映ったかもしれません。

私は幸いなことに身近に認知症と闘っている人はいません。そのため映画が終わって考察をし始めてようやくなぜエドナがあんなにも奇怪な行動を取り続けていたのかが分かった感じです。

ただ、1つだけ言えるのは、謎空間(認知症の暗喩)に出てきたおばあちゃんは普通に鳥肌ものだった(笑)

暗い廊下の奥でおばあちゃんがうずくまっていて振り返ると自分の頬を刺し続けるのはホラーでしかない。

ケイ(エミリー・モーティマー)

(C)2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

本作2人目の主人公でありお母さんです。1番いろんな問題を抱えながらも乗り越えようと奮闘しているお母さんという感じのキャラでした。とてもリアリティーがあったいいキャラだったと思います。

自由奔放な娘さんとの仲を悪くしないためにもあんまり強く言わなかったり、自分のお母さんだからこそ、例え最高ランクの介護施設であったとしても契約を渋ってしまうシーンはとても共感できる部分でありました。

こういうところも家族が認知症になった時に起きることなのでリアルですよね。

ただ、ホラー関係ないですがね(笑)

個人的にすごいと感じたのは、映画ラストの「黒い生き物」の皮を剥いで添い寝をするシーンですね。(笑)
見てる瞬間も怖さよりもシュールさが強いシーンだったので。

もちろん、元々は自分のお母さんであるから理解できなくはないですが、散々殴った後に皮を剥いで添い寝をし始めるのは流石に驚きました。(笑)

サム(ベラ・ヒースコート)

(C)2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

本作の3人目の主人公。基本的にお母さんの苦労も知れず、エドナ(おばあちゃん)に寄り添っているおばあちゃん子なキャラでしたね。

Relic遺物という作品は全員が主人公であったが、誰よりもホラー体験をしたのが彼女でした。

正直、「徐々に狭くなっていく空間 × 暗い × 汚い 」は下手なホラー演出よりも心理的に怖いので心底かわいそうなキャラでした。

最後も突然のお母さんの奇行にただただ呆然とするしかない感じがあったので、なんとも言えない感じがしましたね。

でも最後に自分も添い寝をするのは流石にびっくりししました(笑)

映画「レリック 遺物」の感想 ※ネタバレあり

以下、映画「レリック 遺物」のネタバレありの感想になっています。
ネタバレが嫌な方はご注意ください。

頼むから、もっと分かりやすいホラー演出を増やしてくれ

本作は、全体的に芸術性の高いホラー映画になります。例えるのなら、アリー・アスター監督の「へレディタリー継承」「ミッドサマー」などです。

全体に散りばめられた、伏線を映画鑑賞後に考察する楽しさは十分にあります。ただ、如何せん映画が怖くないのです…

正直全く怖くないです。

もちろん、映画後半のサム(長女)が異空間に閉じ込められたシーンは怖かったです。ただ、このシーンは映画全体の5%程度です。

そのため、映画の90%くらいは怖くないです。演出上、変な影や物音とかはあります。ただ、それが起きる原因が明確に表現されないので、常に何でそれが起きているの?ってなります。

しかもそれが明かされることもありません。もちろん、それはこの映画の至る箇所が「認知症」の壮大な暗喩のため仕方ないことです。

しかし、ホラー映画なのであれば、もう10%でいいからホラー演出があればいいなと思ってしまいました。

全体的にとてもいい作品なだけにもったいないと感じてしまいました。

頼むから、もう少しだけ分かりやすいストーリー構成にしてくれ

本作のざっくりとしたストーリー構成は、

おばあちゃんと連絡がつかないことが分かる ⇨ 捜索する ⇨ 見つからない ⇨ と思ったら、突然現れる ⇨ 認知症っぽいことが分かる ⇨ 認知症が進む ⇨ 今後も同居するか悩む ⇨ 長女が謎空間に閉じ込められ失踪する ⇨ おばあちゃんが豹変する ⇨ おばあちゃんが黒い生き物になる ⇨ 家族みんなで黒い生き物と添い寝する

です。

途中までは、とても理解しやすいストーリー展開なのですが、長女が失踪するあたりから、雲行きが怪しくなってきます。

もちろん、これも「認知症」の暗喩なのでしょう。

しかし、おばあちゃんが豹変してから、黒い生き物に姿を変え、みんなで添い寝をするまでは流石に初見では意味が分からなさすぎます。

「???」って感じです。

もうあまりに意味が分からなさすぎて、映画視聴後に速攻で考察サイトをググったくらいです。

まあこういう暗喩を表現している系の作品はむしろ少し分かりづらくした方が、味が出るのでいいかもですがね。

史上稀に見る芸術的ホラー作品

本作を一言で表すと「認知症 暗喩 映画」です。
正直、多くの人はがっかりする映画だったかもしれません。なんせ後半から本当に意味がよく分からないので。

しかし、本作品を考察していくと、途端に評価は変わります。

なんせ、映画の至る箇所が「認知症」と密接に関連しているからです。

映画シーン意味合い
失踪したおばあちゃん認知症による徘徊
性格の豹変認知症による性格の変化
幼児化するおばあちゃん認知症による幼児退行
帰りたいと言い出す 記憶の混同(子供の頃の家に帰りたい)
謎の異空間認知症の人の心の具現化

などなどたくさんあります。

なので、もし、自分が認知症になったらどうなるのかという視点で見たらホラー映画としてのホラー度は増すかも知れません。

認知症は誰しもいつかなりうる病気なので、そういう意味ではホラーですね。

私はもっと直接的なホラー演出が欲しいので、あれですが、映画単体として見るととても芸術性に優れた傑作なのであると思いました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

これまでいろんなホラー映画を見てきた私からすると、全体的にコアな映画好き向けの作品という印象を強く感じました。

それは、作品全体を通して様々な箇所が「認知症」の暗喩として描かれていたからです。

そのため、ホラー度高めの作品を期待していた人からするとがっかりする内容であったかも知れません。ちなみに私はめっちゃガッカリしました(笑)

もし、映画館で見ていたら、かなりガッカリしていたことでしょう。

しかし、視点を変え映画単体として見るならば、本作は名作の一つに数えられるそんな作品だと思います。

ナタリー・エリカ・ジェームズ氏は気鋭の監督さんということなので、次回の作品に期待ですね!

以上!

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この記事を書いた人

はじめまして!せかいひろしです。会社員をしています。
世界の森羅万象を解明することを人生の指針にしています。都市伝説や未確認生物、古代文明の話が大好きです!

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