体の9割が細菌とはどういう意味?
体にある細菌は敵なの?味方なの?
本日はこんな疑問を解決します。
こんにちは、せかいひろしです。
年間100冊の書籍を読みながら、昨日の自分よりも健康になるために勉強しています。
昨今の新型コロナウィルスの影響で、除菌を徹底することが社会的に浸透しました。
除菌シートや除菌液はメルカリで転売が横行するまでになりました。それは、新型コロナウィルスを徹底的に排除したい思いが増幅したからだと思います。
しかし、過度な除菌は実はデメリットな場合が多いと伝えるのが本書です。
この事実は意外なのではないでしょうか?
ただ、もちろん、帰宅後の手洗いうがいや出先でのアルコール消毒は徹底した方がいいです。しかし、その除菌戦争の背後で人間にとってとても有益な細菌までを殲滅してしまうので、難しいすね。
本書は、こんな願望を持っている人におすすめなのが本書です。
- 細菌についての知識が少ないので増やしたい
- もっと健康になる方法を知りたい
- あなたの体は細菌が9割?
- 現代病に違和感を感じなくなった21世紀人
- 現代人の腸内環境 vs. 祖父世代の腸内環境
- 抗生物質という名の核兵器
書名 | あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた |
著者名 | アランナ・コリン (著) / 矢野真千子 (翻訳) |
出版社 | 河出書房新社 |
出版日 | 2020/12/8 |
ページ数 | 343ページ |
定価 | 単行本:2200円/Kindle:1089円 |
あなたの体は細菌が9割?
私たちの体の9割が細菌で構成されていると言ったらほとんどの人は信じないでしょう。
しかし、本当なんです。
私たちの腸内には約1.5kgの細菌が生息しています。ただ、何も細菌は腸内にのみ生息している訳ではありません。
皮膚、髪の毛、口内、爪など至る所にいるのです。
これらを全て合計すると、人間の細胞1つに対して、9つの細菌が存在することになるのです。
つまり、人間部分の割合は実は1割しかないと言えるのです。これが本書が面白いタイトルをしている理由です。
面白いですよね。
現代病に違和感を感じなくなった21世紀人
昨今、以下の悩みを持つ人を多く見かけないだろうか?
- アレルギー
- アトピー
- 喘息
- 自閉症
- 糖尿病
- 過敏性腸症候群
- 多発性硬化症
- 肥満
もしかしたら、これを読んでいるあなたもそのひとりかもしれません。
ただ、実はこれらの悩みが1950年代以降に急増している「現代病」だと言ったらどうでしょう。
現代人はこれらの病気と長く接するうちに、これらの病気を「普通の日常」として受け入れてしまっている現状があります。
それは、身近な人でこれの疾患を持っている人が多いからでしょう。
実際、データを見ても今や花粉症や糖尿病はとても身近な存在になっています。
全国的な調査として、アレルギー 性鼻炎は全体の39. 4%、花粉症は全体の29. 8%が発症していると発表しています。(花粉症環境保健マニュアルより引用)
糖尿病に関しても、有病者と糖尿病予備群は、合わせて約1,000万人と推計されています。(日本生活習慣予防協会より引用)
つまり国民の30%は花粉症であり、6人に1人が糖尿病なのです。
しかし、これらの病気が「普通」であるはずはありません。異常なのです。
その証拠に1930年ごろまでは、これらの病気は稀な存在でした。自然界で暮らしている部族もこれらの現代病は見られてないそうです。
では、なぜ現代人だけがこれらの病気を発症してしまうのか?
それは、腸内の微生物生態系(マイクロバイオータ)(以降マイクロバイオータ)の多様性が失われて偏り発生しているからだと本書では言っています。
腸内は非常に多様な微生物が生息しています。その数は100兆個は超えてると言われており、重さにすると1.5kgです。悪玉菌や善玉菌、日和見菌と呼ばれるものですね。
では、なぜマイクロバイオータのバランスは崩れてしまったのか?
その秘密は欧米食化と食物繊維で説明がつきそうです。
現代人の腸内環境 vs. 祖父世代の腸内環境
祖父世代は非常に良い腸内細菌が生育しやすい腸内環境を構築していました。
なぜなら、毎日腸内細菌の餌になる食物繊維が十分な量もたらされていたからです。そのため非常にバランスの良い腸内環境があったと言えます。
その証拠に現代病はほぼみられませんでした。では、反対に現代人はどうでしょう。祖父世代と比較して、非常に腸内細菌にとって生育しづらい環境と言えます。なぜなら、食物繊維が圧倒的に不足しているからです。
1930年代の人たちは毎日平均30gは食物繊維を摂取していました。しかし、現代人はどうでしょう。
毎日平均15gしか摂取できていないです。ただ、現代の食生活を考えると15g摂取も意外とハードルは高いです。
私も周りの20代の知人で調べてみましたが、平均8.5g程度しか摂取できていませんでした。もちろん、私の周りが全国平均ではないので一概に言えないですがね。
祖父世代の人たちは芋類や海藻類、玄米を主食としていました。これは非常に食物繊維があります。
一方、現代人は白米、パン、パスタや肉類が中心ではないでしょうか。野菜類は気持ち程度添えるられていることが多いと思います。
本書では、食物繊維を継続して摂取することで現代病を抑制することが可能かもしれないと述べています。毎日の生活に食物繊維を添えることはかなり重要ということですね。
抗生物質という名の核兵器
抗生物質とは、細菌の発育を阻害する薬の総称です。アルフレッド・フレミングが発見したペニシリンが有名ですよね。
このペニシリンを始めとした抗生物質の出現で人類は多くの感染症に打ち勝つことができるようになりました。
現代では最適化が進み、工場で大量生産され格安で入手できるまでになりました。
しかし、そんな核兵器級の抗生物質は味方であるはずの腸内細菌までを滅ぼし、腸内環境を悪化させてしまうというデメリットがあります。
したがって、抗生物質は危険な感染症以外はなるべく摂取しないほうが良いと言えます。現在では減少傾向にありますが、いまだに風邪にも関わらず、抗生物質を求める人がいるのが現状なので。
例え医師から抗生物質を処方されたとしても、他に治療法がないか相談しても良いです。もちろん、絶対に抗生物質を打ってはいけないとは言いませんが、医師と相談の上なるべく減らした方が良いことに越したことはありません。
微生物生態系の回復方法
これまで、いかに我々の腸内微生物生態系が乱されているのかが分かったかと思います。
ここからは腸内環境の強化方法について見ていきます。
糞便移植
少し汚い話ですが、一定の支持を得ている腸内環境の回復法です。簡単にいうと健康な人間の便を腸に入れることです
絶対に嫌だと思う人もいるかもしれません。ただ、これが意外と効くのです。
実際、本書で紹介されている事例に糞便移植をしたら自閉症の症状が回復したというのがあるからです。
ただし、健康な人間の便を取得することがかなりハードルが高いです。それは現代人で抗生物質を数年間摂取していない人に出会うこと自体が稀だからです。
食物繊維をたくさん摂取する
腸内微生物の生態系を回復させることを考える上で「食物繊維」の存在は外せません。なぜなら、食物繊維は微生物の餌になるからです。ライオンは肉が大好き、コアラはユーカリの葉が大好きなように腸内微生物は食物繊維が大好きなのです。
しかし、現代人は想像を絶するほどに食物繊維を摂取しなくなっています。
- 白米を玄米にする
- 味噌汁には多めにワカメを入れる
- おやつはさつまいもにする
- デザートはりんごやバナナにする
- 野菜スムージを作る
人間の腸内環境は4日程度あれば変化をすると言います。ほぼお金をかけずにできることばかりなので、今日から挑戦してみると良いです。
まとめ:食物繊維を摂取して元気になろう
いかがでしたでしょうか?
現代人は想像以上に食物繊維を摂取しなくなっています。これは、腸内細菌たちからすると、あまり楽しい状態ではありません。なぜなら、食べ物に苦労する細菌が出てくるからです。
私も本書を読んでから、毎日平均35gは摂取するようになりました。日本に住んでいると、毎年花粉症を発症しないのかビクビクしますが、食物繊維をたくさん摂取すれば少しは予防になるかもしれないとしれたのでこれからはビクビクしないですみそうです。
もし、毎日あまり食物繊維を摂取していない方は、毎日の食生活にりんごを1つを追加するところかた始めてみはいかがでしょうか?
りんご1つだけでも1.5gの食物繊維になりますので!
以上!
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