こんにちは。
年間ホラー映画を50本以上視聴するせかいひろしです。
本日は、日本最恐の心霊スポットと言われている福岡県の旧犬鳴トンネルと都市伝説の「犬鳴村伝説」が奇跡の融合を果たした映画「犬鳴村」を紹介したいと思います。
本作は、邦画ホラーであるだけにしっかりとした臨場感ある幽霊演出がされています。なのでホラーが苦手な人は恐怖で震え上がる仕上がりになっています。
しかし、ここだけの話、その「ストーリー・オチ・キャラ設定」は、呪怨の伽耶子を1万体凝縮させたよりも逆に怖い仕上がりになっています。
そうです。皮肉です。
結論、幽霊演出や雰囲気作り以外は、フォローのしようがないほど悲惨なできに仕上がっています。
なんせ、後半から畳み掛けるように全てを台無しにしていくんですから。
この記事は映画「犬鳴村」のネタバレを含んでいますのでご注意ください。
映画「犬鳴村」の概要と評価ポイント
監督:清水崇
公開:2020/02/07
本編:1時間48分
- 映画.com 2.4/5
- Filmarks 2.6/5
- せかいひろし 1.5/5
本作は、あの呪怨を監督したで有名な日本を代表するホラー映画監督の清水崇監督の作品です。
1年前に冒頭10分観て、あまりの酷さに光速でブラウザバックをしましたが、好き嫌いはいけないということで、再度視聴しました。
Twitterでエゴサしてみると、批判の嵐を目にすることができるだけになかなか万人受けしないできになっています。
なんせ、後半からのあまりにひどいストーリー構成に意識を保つのがやっとでしたのだから。(笑)
主人公もなんかハッピーエンドみたいな顔してるけど、ハッピーエンドではどころかバッドエンドだし、呪いは絶対に止まっていないし、主人公も犬化するしで何がしたいのかまるで理解できませんでした。(笑)
映画「犬鳴村」ってどういったターゲット層を対象に映画を作ったのか知りたいと思ったくらいにはひどいできになっていましたね。
期待値を-100にして家で視聴したので、ダメージは軽傷で済みましたが、もしあれを公開に初日に映画館で見ていたと考えたら…
多分その場で私が爆散して周りの観客に迷惑をかけていたのかもしれません。(笑)
それくらいのインパクト持っている映画でした。
映画「犬鳴村」の口コミ
映画「犬鳴村」の登場人物/キャスト
ここでは、本作の登場人物を軽く紹介しながら、感想を述べたいと思います。
この章は映画「犬鳴村」のネタバレを含んでいますのでご注意ください。
森田 奏(三吉 彩花さん)
本作の主人公であり、物語のキーパーソンです。
家柄もよく精神科医という肩書きを持っている所謂勝ち組です。しかし、キャラ設定ミスのため、恐ろしくサイコパスな側面を持ち合わせています。
なんせ、実の兄を見殺しにするだけでなく、そのことを一瞬にして忘れ去り、人の赤ん坊を盗んで他所の家に置き去りにしても平気な顔で勤務を続けるんですから。
もちろん、赤ん坊は自分が気絶している間に消えてしまっていた、因果関係的に赤ん坊を置き去りにしなければ自分達生まれこなかったからある程度しょうがない部分はあります。
しかし、あれだけ目の前で赤ん坊の親が子供を返してと泣き叫んでいるのに平然と赤ん坊を連れ去るんですから、サイコパスとしか言えないです(笑)
ただ、単騎で呪いの電話ボックスに突撃したり、1人だけで事件解決に向けて頑張ったのは偉かったなと思いました。(上からですみません。)
あと、邦画独特の間の使い方は相変わらず不自然極まりなく、何かと「えっ?」と聞き返す演技はあまりいただけなかったですけど、幽霊の気配を感じる演技はとてもちゃんとしていて素晴らしかったと思いました(本当に上からですみません。)
ちなみにもうちょっと実の弟くんに対する接し方は頑張ったほうがいいなと思いました(笑)
あれだといくらなんでも他人感がですぎなので(笑)
森田悠真(坂東 龍汰さん)
主人公の兄であり、一家1番の落ちこぼれキャラ。
名家の長男でありながら、劇中は一度も仕事をしているそぶりや大人なそぶりを見せていないため、絵に描いたような落ちこぼれキャラである。
実際、序盤から「あなたは中学生ですか?」感じるような態度で彼女さんに接している。
そして、これまた絵に描いたように地元の不良というか少し柄の悪い友達が多いのに可愛い彼女さんを連れている。
THE田舎のヤンキーである。
まあ今は落ちこぼれだけど昔はもっと頑張っていたのかもしれない。(そういうことにしておいてあげよう)
また、自分の彼女が明らかに呪われているから焦る気持ちも理解できるが、助けを求めている側なのに姉に対して信じられないくらいキツく当たることが多く、より一層序盤から残念さを際立たせた。
それに対して主人公は顔色ひとつ変えずに接しているんだからすごい。
最後には主人公と一番下の弟くんを助けるために1人犠牲になるが、これまでのクズっぷりを披露していることもあり彼に同情する視聴者はいないから本当に救われない。
まあ、最後の場面、ボスと思われるキャラの変身スピードを考えれば、どう考えてもみんなで全力で振り返らずに走っていれば全員助かったと思われるので、本当に本当に救われないキャラである。これは映画だから仕方ない部分もあるが。
ちなみに個人的な印象に過ぎないが、主人公よりも雰囲気や見た目が若いので、どんだけアンチエイジングしてるんだよと心の中でツッコミました(笑)
調べてみると主人公とは実際は1年しか違わないので、本当にアンチエイジングをしているのかもしれません。
西田 明菜(大谷 凜香さん)
兄の彼女さんであり「呪い」の火蓋を切って落とした元凶。
とても可愛らしく、性格も良さそうであるが、ガラのあまりよろしくない彼氏さんとYouTubeの企画?を撮影をしに犬鳴村を目指したがために開始早々に死亡してしまった。
彼女の育ちの良さを象徴するのが、犬鳴村を訪れた際トイレに立ち寄るのだが、きちんと手を持ってきた水で洗っているというものがある。
心霊スポットに来たのに手を洗うのを忘れないんだから相当しっかりした教育を受けてきたことが分かる。
ちなみに明らかに30mくらいの高さがある鉄塔から飛び降り、頭からコンクリの地面に激突したのにも関わらず、ちょっと骨が折れて頭から血が出るという外傷で済んだことから、呪力操作できたと思われる(単なる演出)
ただ、彼女の死には矛盾点というか不自然な点がある。それは彼女だけ転落死をしたということである。見落としがなければ、他の全てのキャラは呪霊の領域展開に巻き込まれ溺死したのに彼女だけ転落死であった。
まあこれも単なるホラー演出であるのだろう。
映画「犬鳴村」の感想 ※ネタバレあり
ここからは、本作品全体に対して私が感じたことを述べていこうと思います。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
人間的恐怖と呪い的恐怖を1:1でブレンドしたのはグッド
本作の最も評価するべきポイントは、人間的恐怖と呪いの恐怖を見事なまでの比率でブレンドしたことにある。
通常ホラー映画は、人間か超常現象のどちらかにフォーカスして物語を展開する。それは、その方がまとめやすく分かりやすいというのもあると思う。
しかし、映画「犬鳴村」は人間の我欲と強欲さからくる恐怖と超常現象的恐怖が見事に融合しているので、2つの異なる恐怖感を味わえる。
- ダムを建設して大儲けをしたいから、立ち退き拒否をしている住民を閉じ込めてダムの底に沈める怖さ
- 街のどこにいてもどこからともなく呪霊が現れて領域展開をして溺死させにくる怖さ
映像演出の陰気な印象も相まって、ここだけを切り取ると非常にうまく作り込まれているのが分かる。さすが日本を代表するホラー監督清水崇さんだけのことはある。
頼むから脚本を練り直してくれ
この映画を視聴した全員が確実に思ったことは「頼むから脚本を練り直してくれ」であるだろう。
なんせ、物語中盤から終盤にかけて全く擁護しきれないストーリー展開がなされるからである。
行方不明になった兄弟たちを助けるために奔走し、犬鳴村に行く手段を発見するまではまあ2000歩譲って大目に見るとしよう。B級映画だからしょうがない。
しかし、兄弟たちが実はまだ生きていて、しかも蹴ったら開けられそうなボロボロの木製の牢屋に閉じ込められているだと。
「は?」
「なんで兄弟たちだけ呪殺しないんだよ?なんで脱出しようとしないんだよ?なんで過去に飛ばされているんだよ?」
「そんな暴論があってたまるか(笑)」
その後犬鳴村のいい幽霊と一緒に牢屋の鍵を探しに行くだと。
「マジで、は?(笑)」
しかもめっちゃ簡単に見つかるしw
これは、手抜きにも程があるだろと憤死寸前の私は思いました。
しまいには、おそらく散々犬と交わらされた足を砕かれた綺麗なお姉さんから生まれたての赤ん坊を取り上げ持ち逃げするだと!?
お前に良心はないのか(笑)
赤ん坊のお母さんも死に物狂いで「返して」と叫ぶのにそれを無視するし…
この作品に参加していた演者さんやスタッフさんはどういうモチベーションでこれを撮っていたのかを知りたいと思わせるレベルの脚本でした(笑)
頼むからキャラ設定をし直してくれ
この作品に登場するキャラクター全般に言えることなのですが、全く感情移入ができません。
呪いを拡散させた兄の彼女
深夜2時になる呪いの電話に自ら出たかと思うと、「今からそっちに行きます!!」と明るく元気に言い電話をガチャ切りするし、犬鳴村でトイレし出すし、おそらくぶりっ子だしで正直まともな人とは思えない。(ぶりっ子は私の偏見ですね笑)
主人公の兄
主人公に凄まじいあたり方をする、田舎のヤンキー的ノリで後輩にキツく当たる、おそらく無職、弟にもかなりキツく当たるで人格をかなり疑うレベルには落ちこぼれている。
主人公
実の弟と他人行儀に接する、兄を自ら見捨てたのに平気な顔をしている、赤ん坊を盗んだのに平気な顔をしている、母親が必死に赤ん坊を返してと懇願しているのに無視するなどサイコパス指数高め。
主人公の父
the 亭主関白で妻を迫害している、落ちこぼれすぎている兄も悪いが、兄をゴミ同然に扱う、かなり自己中心的、子供すぎるというとても擁護しきれない性格をしている。
主人公が病院で担当していた子供の父親
死産していることを妻に隠し、勝手に養子縁組から子供をもらってくる、主人公に対して笑顔で黙っていてくれというサイコパス。
この映画にお婆ちゃんちゃんとお爺ちゃん以外まともな人はいないのかと思わせられる作品です。(笑)
映画全体の陰気な雰囲気はとても素晴らしかっただけに勿体無いとしか言えない作品だなと感じました。
キャラ設定が悪いとここまで映画はダメになるんだなというのが分かりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これが、年間ホラー映画を50本以上見ている人からの映画「犬鳴村」の感想です。
邦画×ホラー×B級ということもあり期待値-100で見てこれでしたから、期待値を持って本作を見ていた場合は爆散しているか炭化しているかしていたと思います。
この作品は呪怨とリングとシャイニング2混ぜ合わせて1000倍に希釈した映画ですね。
ただ、陰気な映像演出や幽霊の登場演出はかなり上手に仕上がっていたと思います(上からでごめんさない)
人生に時間の余裕がありすぎる、B級ホラー大好きな人には特におすすめできるそんな作品が映画「犬鳴村」であるなと思いました。
以上っ!
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